夏の定番といえば色々思い付きます。避暑地の軽井沢や南国の代表格沖縄、祇園祭が開催される京都なんかも人気がありますね。そんな中でも西伊豆を推して行きたい筆者。実は毎年伊豆半島には遊びに行っていて、特に西伊豆の魅力に取り憑かれています。
今回は古民家での夏休みをテーマに過ごした、2024年8月も終わり、2泊3日の旅の記録をお届けします。ぜひこの夏の選択肢にしてみてください。
【旅の基本情報】
項目 | 内容 |
---|---|
エリア | 西伊豆、南伊豆(静岡県) |
旅の日数 | 2泊3日 |
旅のメンバー | 家族(夫婦+0歳娘)夫友人2人 |
予算 | 大人1人当たり約4万円(宿・交通・食含む) |
交通手段 | 車 |
【旅に出た理由】
格好つけていうのであれば「何もしない」をするために。
かれこれ5年くらい毎年夏に訪れている伊豆半島。アクセスこそ車がないと難しいですが、適度な人の少なさとゆったりとした自然、美味しいグルメ…。都心からもまあまあな時間で行ける、最高の非日常がそこにあるということで我が家の定番スポットとなっています。
今回は伊豆半島でも西伊豆の古民家ステイを目的に、家族に加えて筆者の学生時代の友人も加えて訪れました。
“大人の夏休み”を掲げて、飛び立てるくらい羽を伸ばすことに決めました。
海に浸かり、焼いた肉を喰らい、酒を飲む、あれ、意外とやることあるかもしれない。そんな旅に出ました。
【旅の流れ】
1日目

朝イチで埼玉を出発し、西伊豆へ。15時のチェックインを目指します。
八王子ジャンクションあたりはいつも渋滞するのが難点。もう少し早く出ればよかったかななんて思いますが、この日は0歳のベイビーがいたから朝は用意しててもバタバタするね。
幸い車でよく寝てくれたので、ちょくちょくオムツ替え休憩などをしつつ、
本日のお宿へと車を走らせます。
お昼は道中の中井PAで済ませました。娘もご機嫌でゆっくりご飯を食べられたのでひと安心!
モザイク処理越しでもニコニコしてるのが伝わります笑

友人御一行より一足早く、我が家はお宿に到着。昼間写真撮り損ねていたので、夜の1枚になってしまった。
静岡県賀茂郡松崎町に位置する今回のお宿「吟漁亭 – Ginryotei Matsuzaki」。
古民家をリノベーションした施設で、歴史を感じる趣と清潔感が共存しており、快適なステイになりました。
松崎はいわゆる田舎ではありますが、スーパーやコンビニもあり、利便性も十分。車で来る分にはほとんど苦労しないと思います。
格子模様の壁は「なまこ壁」と呼ばれている日本の伝統的な壁塗りの様式のひとつ。壁面に平瓦を貼り、継ぎ目部分に漆喰を盛り上げるように塗り付けています。この盛り上がっているさまが海の「なまこ」に似ているということで、この名が付いたそうです。
今見るとレトロでおしゃれな印象ですが、当時は機能性の面からも重用されました。防火性・防水性に優れ、松崎特有の強い冬の西風による火事から家屋を守ったそうです。
ちなみに松崎でなまこ壁が増えたのは明治初期だといいます。施工には職人の手や技術が必要であったため、裕福な家にしか見られなかったのだとか。当時の歴史や経済についても教えてくれる貴重な文化財です。

少し遅れて友人カーが到着。なんでも沼津で寿司を食べていたら遅くなったそう。スタートにして差をつけられた感がありますね。
まあ揃ったところで、皆自由人なので各々周辺を散歩したり、娘と遊んだり、お部屋でごろごろしたり。気づけば日も暮れ始めました。
お宿にバーベキューセットを借りることができたので、夜はバーベキュー。
近くのスーパーで調達した食材たちで盛り上がります。なんと土鍋も借りられたので、ご飯は土鍋で炊きました。
炊飯器とはやっぱり違いますね。甘味と香ばしさがより引き立ちます。炊き上がりの時間も炊飯器よりかからないので、片付けや収納の面に折り合いされつけられれば、土鍋もいいなあと思いました。
合間に娘を風呂に入れて寝かしつけ、夜はディープなアルコールタイム。夏休みですもの。
「遠慮なんて言葉は私の辞書にない。」令和のナポレオンの欠点は、未来を見据えることができなかったことです。
2日目

お酒はほどほどがいいということは次の日の自分がよく知っているのに、なぜ人は同じ過ちを繰り返すのか。
娘の起床に付き合った私を除いて大人たちがまあまあダウンしていたため、11時くらいからの2日目スタート。
可能なら私も眠っていたかったけどね笑
娘のキラキラハッスル笑顔見たら、多少頭が痛くてもパパは起きるのよ。
適当に朝ごはんを済ませて、岩地海水浴場へと向かいます。約1名、友人は完全な二日酔いでのびていたので、砂浜のテントに残し、他みんなで海水浴。8月も終わり頃、海じまいギリギリだったので、観光客も少なめでした。
皆さん、海といえば沖縄とかどこかの離島とか、南国を思い浮かべると思うけど、どう?
西伊豆の海もバカにできないでしょう。
岩地海水浴場は、少し湾になっている関係で波も穏やかで、お子も安心して入りやすいと思います。最高の海デビューになりました。

海を満喫したあとは、お宿にカムバック。疲れがピークに達していたので、娘と一緒にお昼寝。
旅行すると何かしなくちゃなと思うけど、なんの制約もなくだらだらできるのも醍醐味です。
というか、古民家でゆっくり昼寝とか、今考えてみると現代人には一大イベントですね。
夕方まで休んだら、食材を少し買い足してバーベキューの続き。ほかのメニューも考えたけど、焼いて食べるだけで楽だし、楽しいし。
みんなすっかり元気になっていたので、またしっぽりどころではなく、どっかり飲みました。
いつものビールと角ハイと伊豆のワインと、まだ日が落ちきる前の空はきれいで、青春は定義次第だなと思ったりしました。
夕方のいい感じの1枚撮り損ねてたから、写真は伊豆の道路と風景。もこもことした山と青い海の対比が「伊豆」って感じがして好きです。
伊豆半島はもともと日本列島とは別の南の島でしたが、海底火山活動によって接近し、約100万年前に陸続きになったといわれています。
私は伊豆にどこか”異世界感”が覚えていますが、こういった背景があるからなのでしょうかね。
3日目

11時にお宿吟漁亭をチェックアウトし、伊豆・三津シーパラダイス通称「みとしー」へ向かいます。
松崎から西伊豆を北上し、車で1時間ちょっとの道のりです。
娘も初めての水族館で、カラフルないろんな生き物に興味津々。イルカショーでは大迫力の水しぶきに少しビビっていました笑
ただ生き物を見るだけでなく、さまざまな「体験」ができるのもみとしーの魅力。動物への餌やりや、触れ合いなどを楽しめます。さすがに0歳児にはまだまだなことが多かったですが、もう少し大きくなったら大ハマりしそうです。
大人も喜んで釣り体験しました! 途中で雨も降ってきてぜんぜん釣れなかったけどね。笑
伊豆・三津シーパラダイスは静岡県沼津市の人気水族館です。日本初のイルカ飼育実績も持ち、人々に長く愛されてきました。
特に子連れに嬉しい要素がたくさんで、伊豆半島の比較的手前に位置するので、アクセスもそれほど悪くありません。
かわいいお土産もたくさんで楽しいのでおすすめです。

みとしーを後にしたのが15時頃、ちょこちょこ売店でつまみましたがお腹が空いていたので、遅めのランチをいただきます。
今回選んだのは沼津魚がし鮨。静岡の沼津発の寿司チェーンで、新鮮かつ巨大なネタのにぎりを楽しめます。それでいて値段も比較的リーズナブルで満足度が非常に高いお店です。御殿場のアウトレットなどにもお店が入っているので、利用しやすいのもメリットです。
注文はタッチパネル方式で、寿司ネタ単体で選べるだけでなく、セットも豊富に用意されています。
名前は失念しましたが、何かしらのセットに加えてブリなどの単品ネタをいくつか注文しました。
2000円弱でお腹いっぱいになれたので、旅先のランチにしてはコスパ良好でした!
静岡といえばハンバーグチェーンのさわやかが有名ですが、せっかく駿河湾があるし、新鮮な魚介を食べるのもおすすめです。
【思い出日記】
我が家の夏の定番になっている「伊豆」。今回はなかでも西伊豆松崎を目的地に旅をしました。
「何かをする」というのにはあまりに「何もしない」けれども、それすら「している」そんな2泊3日でした。
バーベキューをし、海ではしゃぎ、子供と戯れる。背景には夏の空と海と古民家。
何気ない出来事ですが、ChatGPTもきっとこれを”夏休み”と定義するでしょう。
また次の夏もきっと伊豆を訪れます。行けば行くほどスルメのような、そういう要素もありますが、どこか安心できる、それが伊豆の地の魅力のように思えます。今度はカフェとかも特集しようかな、そういうのがきっと需要あるよね笑
またきっと伊豆旅はあげるので、その時はぜひ読んでみてください。
伊豆を訪れるたびに思い出すのは、高校時代読んだ川端康成の伊豆の踊り子。何者でもない自分も伊豆に行けば私にとっての踊り子という未知に出会い、何かを得られるんじゃないか、そんなことを思ったこともありました。
今でも車で天城峠を越えるたび、起承転結の”転”がゆるやかに訪れるような気がします。私の心のスイッチを切り替える舞台装置としても機能してくれるくらいですから、石川さゆりも天城越えを歌ったんでしょうね。
いつか伊豆踊り子ルートをなぞった一人旅とか、ゆっくりしてみたいものですね。
【旅のまとめ/行った場所一覧】
- 吟漁亭 – Ginryotei Matsuzaki(2023年10月にオープンした、古民家をリノベーションした一棟貸しのお宿。2024年11月にはサウナも併設され、よりチルな滞在が可能に。)
- 岩地海水浴場(「東洋のコートダジュール」とも称される美しい海岸。松崎を拠点に海水浴をするならおすすめです。)
- 伊豆・三津シーパラダイス(「遊ぶ!学ぶ!ふれる!」がキャッチコピーの水族館。子連れに楽しい要素が盛り沢山です。)
- 沼津魚がし鮨 流れ鮨 伊豆の国大仁店(新鮮で巨大なネタが魅力のお寿司を堪能できる。個人的最強寿司チェーン。)



今回泊まった宿・ホテル
吟漁亭 – Ginryotei Matsuzaki


松崎町に位置する一棟貸しの古民家宿。清潔かつ趣があり、ゆっくりと流れる特別な時間を堪能できます。宿泊者が自由に使える北欧バレルサウナも魅力的です。
吟漁亭の女将さんは、松崎の魅力に惹かれて東京から移住して来られた方で、気さくに色々お話しさせていただきました。宿泊施設運営ももちろんですが、地域をつなぐさまざまな活動をされており、松崎を盛り上げるのに大きく尽力されています。
所在 | 東静岡県賀茂郡松崎町那賀254 東名高速東京ICより約3時間 / 東名高速沼津ICより約2時間 駐車場完備 |
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価格 | 1泊1名 10,405円(4名利用時) |
今回のプラン | 素泊まり |
公式instagram | https://www.instagram.com/ginryotei_matsuzaki/ |